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東川町のファンを増やす短期日本語研修――好循環が生まれ――(第6回)
- 2018/4/5
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- 公立日本語学校, 地方創生, 東川町
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東川町のファンを増やす短期日本語研修――好循環が生まれ――(第6回)
[短期研修で上級クラスを受講する中国人留学生。右から趙さん、胡さん、周李さん]
北海道東川町立東川日本語学校の明るいカフェテリアで、冬休みを利用して短期留学に来た、中国人留学生に学校の評判を聞いた。
最年少の9歳で上海出身の趙語嫣(チョウ・ゴエン)さんは、母と親子留学。日本の同年代の子供たちと遜色ない日本語を話す。趙さんの母は日本に留学経験があり、上海で日系企業に勤務。子供が生まれた時から中国語と日本語のバイリンガル教育をしてきた。いずれは日本に移住することも視野に入れ、日本語を勉強させてきたそうだ。趙さんは「日本語の勉強はとっても楽しい」とにっこり。
杭州出身の大学3年生、胡思杰(コ・シケツ)さんは、冬休みを利用して日本語を学びに来た。日本のアニメやドラマが大好きで、大学生になってから日本語を勉強し始めた。しっかりと日本語を身につけたいと留学に踏み切った。雪が見たいというのもその理由の一つだった。
湖南出身の大学4年生、周李宇灝(シュウリ・ウコウ)さんは、いずれは中国と日本の比較文化研究をしたくて日本語を学んでいる。東川日本語学校は、自然に触れながら生活体験ができ、午後は日本文化に触れる活動が充実しているので、将来に役立つと考えたそうだ。
短期研修の上級クラスの3名に話をうかがったが、東川日本語学校を選択したのは、短期研修を積極的に実施している点やファシリティの良さ、そして自然環境の良さだそうだ。実際に留学してみると、想像していた以上に環境が良く、大満足しているそうだ。ランチタイムに話をうかがうことができたが、休憩時間が終わると3人とも仲良く、茶道の文化体験に出かけて行った。
東川日本語学校では3カ月以上の留学生が80名程度通っているが、短期日本語研修で訪れる留学生は年間で300名におよぶ。そして日本語学習と町の文化交流や観光を通じて、大好きになって国に帰っていく。まさに「世界に開かれた町」の〝真髄〟を見た気がした。良い体験をした留学生が国に戻ってその体験を語る、そのアナウンス効果は想像を超える。しだいに町の認知度が高まり、ブランド価値が上昇していく好循環を生み出しているようだ。
<第7回:留学生は町に定住するのか――町立日本語学校の今後と課題―― につづく>
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特集:日本語教育と地方創生
人口減少が急速に進む地方都市において、日本語学校を地域の活性化に結びつけている町があるのをご存じだろうか。北海道旭川空港から東に車で15分の東川町だ。2015年10月、日本初の公立日本語学校を開校し、町をあげて外国人留学生を歓迎している。「偽装留学生」や「デカセギ留学生」などと揶揄されることが多い昨今、地方の公設の日本語学校がどのように留学生と付き合っているのか。雪深い町立東川日本語学校を訪ね、その実情を通して、日本語教育と地方創生の可能性について考えてみた。