明治大学の山脇ゼミが「やさしい日本語」でコロナ情報を発信

明治大学の山脇ゼミが「やさしい日本語」でコロナ情報を発信

明治大学国際日本語学部の山脇啓造教授のゼミが「やさしい日本語」を使ってコロナ情報を発信する動画を作成した。コロナウイルスの感染拡大に伴う様々な課題や行政サービスの情報をYouTubeにアップ。感染を心配したり、仕事を失うなどして生活が苦しい外国人にぜひ見てほしいと言っている。

山脇教授は総務省の「多文化共生推進プラン」の原案作成に携わるなど、多文化共生社会の研究者として知られる。ゼミの活動を通じては、従来から「やさしい日本語」の普及にも取り組んでいる。簡単な言葉を使い、短くはっきりと言いたいことを伝える「やさしい日本語」は、外国人との共生社会を作るうえで重要なツールになると考えている。

今回、コロナウイルスの感染拡大が、人の命や健康を脅かすだけでなく、社会や経済を揺るがす大きな問題を引き起こしている。このため、情報弱者の外国人が困らないように「やさしい日本語」で医療や行政サービスの情報を発信するための動画を作成した。

動画は、感染症やその対策について詳しく知りたい人のための相談窓口の情報を生活編と仕事編に分けて作成。また、生活福祉基金と住宅確保給付金を借りる際の手続きなどの動画も作った。日本人でも分かりにくい手続きを学生が趣向を凝らして分かりやすい動画にしたため、外国人だけでなく日本人にとっても役に立ちそうだ。

また、山脇ゼミは「やさしい日本語」で国民健康保険を紹介する動画も作成した。こちらも外国人にとって重要な情報だ。

明治大学でも感染拡大を防止するため、新年度からキャンパスが閉鎖され、ゼミ生同士が集まって活動ができなくなった。このためズームによるミーティングなどで協議をしながら準備を重ね、4月末に開いたゼミ合宿で動画班を立ち上げた。専門家のアドバイスを受けながら、外国人に分かりやすいようコンテンツを考えて完成させた。

コロナ情報の動画

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2020/6t5h7p000034a695.html

国民健康保険の動画

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/2020/6t5h7p0000347eoy.html

 

にほんごぷらっと編集部

にほんごぷらっと編集部にほんごぷらっと編集部

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の編集部チームが更新しています。

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

イベントカレンダー

4月
19
10:00 AM 凡人社オンライン日本語サロン研修... @ オンライン
凡人社オンライン日本語サロン研修... @ オンライン
4月 19 @ 10:00 AM – 11:00 AM
凡人社オンライン日本語サロン研修会『実践に基づく「やさしい日本語」の論点整理』 [日 時] 4月19日(土)10:00~11:00(オープン 9:40)※日本時間   [対 象] 日本語教育関係者、多文化共生に関心のあるすべての方   [定 員] オンライン:250名 ※ 先着順、定員になり次第締め切ります   [参加費] 無料 ※ 要予約、前日(4/18)17 時までに招待 URL を送ります   [講 師] 岩田 一成 先生(聖心女子大学)   [内 容] 『やさしい日本語ってなんだろう』(ちくまプリマー新書)を解説します。 10 年以上実践活動に関わって来て、まだまだ一般の人に「やさしい日本語」の理念は広がっていないなあと感じています。 病院関係者は英語志向が強いですし、学校のお知らせは規範に則って冗長なあいさつが冒頭部分を占領しています。 そして国や自治体の文書は細かい・抽象的・長い・硬い…といろいろなクセがあります。 これらは場面別にストラテジーを練る必要があると考えています。その際に大事な論点がいくつかあります。 ・「やさしい日本語」は話し言葉と書き言葉で別物である ・悪文追放は本来「やさしい日本語」運動とは無関係である ・メッセージの内容や社会制度が文章に強く影響を与える そんなお話をしたいと考えています。   [お問い合わせ・お申込み] 主催:凡人社 お問い合わせ・申し込み先(担当:凡人社/坂井) E-mail:ksakai@bonjinsha.co.jp   ※ 下記お申込みフォームかメールでお申し込みください。 メールでお申し込みの際はタイトルに「オンライン日本語サロン研修会(4/19)」と入れて、本文にご氏名・ご所属・ご連絡先をご記入ください。 お申込みフォーム→https://forms.gle/8A4mTHwVKRaUG3Y39
4月
27
4:00 PM オンライン読みもの作成入門講座 @ オンライン
オンライン読みもの作成入門講座 @ オンライン
4月 27 @ 4:00 PM – 7:00 PM
オンライン読みもの作成入門講座 概要 NPO多言語多読が作成した多読用読みものがどうやって作られているかを知り、実際に小グループで作る体験をしていただきます。初級学習者と中級学習者向けの2つの読みもののリライトを扱います。 ≫ 過去の報告を読む 講座の内容 多読用読みものの現状 多読用読みもののレベル分けについて 求められている題材とは? 初級向け、中級向けの多読用読みもの作成体験 作成した読みものへのフィードバック ※内容は参加者に合わせて変更することがあります 参加対象者 多読用読みもの作りに興味をお持ちの方 多読授業をやっている方で、ご自分の現場に合わせた読みものを作成したい方 NPO多言語多読の読みもの作りに参加したいとお考えの方 基本的に多読について知識がある方を対象にしていますが、多読について知識がない方は事前にご相談ください。
5月
16
5:00 PM 【教員対象オープン講座】中高生の... @ オンライン
【教員対象オープン講座】中高生の... @ オンライン
5月 16 @ 5:00 PM – 6:30 PM
日本語探究に関するレクチャーと「中高生日本語研究コンテスト」についての説明を行います。 次のような方におすすめです! ・「中高生日本語研究コンテスト」に関心をお持ちの中高・特別支援・義務教育学校の先生。 ・探究を担当されていて、生徒に様々なコンテストを紹介している先生(教科不問)。 ・日本語好きな生徒を担当している先生。 講師:田中 牧郎(明治大学)/ 村上 敬一(徳島大学)/ 又吉 里美(岡山大学)/ 岩城 裕之(高知大学) お申し込み:https://forms.gle/x8FvkXyzXAZDpR4n7 コンテスト専用サイト:https://www.junior-jpling.org/

注目の記事

  1. 「多文化ビジネス」に挑戦する株インバウンドジャパン 外国人向けの不動産事業で成功 在留外国人が…
  2. 【お知らせ】「やさしい日本語」で外国人の労災防止を―「にほんごぷらっと」でシンポジウムの動画を公開 …
  3. 主権国家である以上、国境管理をおろそかにすることはできない。その重責を担うのが出入国在留管理…

Facebook

ページ上部へ戻る
多言語 Translate