在留外国人過去最高の256万人 ベトナム人が31%増で3位に 留学生30万人突破
法務省入国管理局は3月27日、平成29(2017)年末現在の在留外国人数をまとめた。それによると、3か月以上の中長期在留者は223万2026人、いわゆる在日コリアンなど特別永住者は32万9822人で、在留外国人の合計は256万1848人となった。前年末に比べて17万9026人(7.5%)増え、過去最高を更新した。
在留する外国人の国籍・地域は、195(無国籍を除く)にのぼる。国籍別の外国人数では、中国がトップの73万890人(5.1%増)。2位の韓国は45万663人(0.5減)だった。韓国は前年末に比べて減少しているが、これは韓国籍の特別永住者の減少によるもので、ニューカマーの韓国人は増加しているとみられる。
3位のベトナムは26万2405人(31.2%増)。フィリピンを抜いてランクを上げたが、大幅増は技能実習生や留学生の数が増えたためだ。留学生も資格外活動のアルバイトとして貴重な労働力となっていると見られ、中小企業の人手不足を補うことで存在感を示しているのがベトナム人だ。
4位はフィリピンの26万553人(6.9%増)、5位はブラジルの19万1362人(5.8%増)、6位はネパールの8万38人(18.6%増)。ネパールもベトナムと同様に技能実習や留学での入国が増えている。このほか10位のインドネシアも同じように大幅に増えており、4万9982人で16.6%の増だ。
在留資格別では永住者が74万9191人(3.0%増)と最も多い。永住者は原則10年以上の在留者に付与され、在留外国人の定住化が進んでいることを示している。一方、在日コリアンなど特別永住者が減少しているのは、少子化や結婚などで日本国籍を取得するケースが影響しているためだ。
また、留学は31万1505人(12.3%増)。政府が2008年に策定した「留学生30万人計画」を法務省調べの数字ではクリアした。技能実習は27万4233人(20,0%増)、技術・人文知識・国際業務は18万9273人(17.5%増)、高度専門職は7688人(105.1%増)だった。人口減少・高齢化によって就労系の在留資格の増加傾向が鮮明になっている。
都道府県別の集計では、長崎を除く46都道府県で前年末を上回った。上位5都府県は以下の通り。
- 東京都 53万7502人(3%増)
- 愛知県 24万2978人(3%増)
- 大阪府 22万8474人(0%増)
- 神奈川県 20万4487人(6%増)
- 埼玉県 16万7245人(7%増)