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ヴェネツィア2018年日本語教育国際研究大会 Venezia ICJLE 2018
- 2018/4/6
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主催:ヨーロッパ日本語教師会(AJE)
後援:日本語教育グローバルネットワーク
日時 | 2018年8月3日(金)〜 2018年8月4日(土) |
場所(会場) | イタリア、ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学 |
テーマ: 平和への対話
使用言語 | 英語・日本語 |
発表原稿受付 | 2017年10月15日から2017年12月15日まで延長しました |
査読結果 | 2018年 |
平和への対話
何のために外国語を教える/学ぶのか
「ことば」には力がある。だから「ことば」を教えるのは、特権的な現場だといえる。
ヨーロッパ日本語教師会(AJE)では、2016年には「ウェルフェア(well-being) を目指す日本語教育」をテーマに、第20回AJEシンポジウムを開催しました。翌年2017年には、ヨーロッパで日本語を教える/学ぶことの意味を問い直すことをテーマにした、第21回AJEシンポジウムを開催しました。来るべき2018年の世界大会(日本語教育国際研究大会)は、ものの見方をさらに世界的な視座に基づくものにしていくうえで絶好の機会だと考えます。自分たちの暮らす現代社会を視野に入れない限り、個人のウェルフェアを考えることには限界があり、無意味なものになりかねません。
日々新たな戦争やテロが起こっています。家族やコミュニティのなかの争いも絶えません。私たちは「ことば」という行為を通じて、私たち自身を表現し、対話を通じてお互いの価値観や考え方に出会います。私たちが「別の考え方がありうること」を意識し、自分自身の価値観を相対化できるのは、対話を通じてのみです。私たちは、対話を通じて,「異なるもの」を排除するあらゆる種類の「絶対の真理」というものの見方を解体し、自分自身のパースペクティブを問い直したり、開かれたものにしたり、広げたりできるのです。そこに、多様な背景を持った人びとがお互いに平和的かつ敬意を持って接する包摂的な社会の可能性が開かれてくるのではないでしょうか。
今回の日本語教育国際研究大会では、以下のような問いについて考えていきたいと思っています。
・日本語教育の現場・過程は、人びとがそうした意識にたどりつくのにどのような手助けすることができるのか。
・日本語を「教える」という我々の日々の活動において自分たちの生活を取り巻く社会をより平和的で包摂的なものに変えていくために、どのような戦略を採っているのか。
・また,学生たちとの関係づくりのなかで、どのような批判的な素材やテーマ、テキストや活動、対話や議論を行っているのか。
・厳格な制度が押しつけてくるさまざまな制限や境界によって、私たちの教師性がどのように脅かされていると感じているか。
・私たちは、自分自身や同僚、そして学生たちが、私たちの生きる社会に対して責任を持ち、戦争や争いを生み出す不満や誤解,本質主義や不平等を乗り越えていけるように、どういった後押しができるのか。
〜〜〜
この日本語教育国際研究大会では、以下の4つの特別なイベントも予定しています。
1. PhD学生によるワークショップ(8月2日)
2.シンポジウム:平和な世界のための人材育成―ビジネス日本語教育の視点から(8月3日)
経済や企業は、世界にバランスや平和を作り出すうえで、非常に大きな役割を担っている。グローバル化が進めば進むほど、経済や企業の内部には解決しなければならない「経営上のコンフリクト」が増えていき、不平等や世界の秩序に目を向けるという社会的責任も増していく。日本語を教える/学ぶことで、「異文化間」コミュニケーションに携わっている人びとは、こうした責任とどのように向き合えばいいのだろうか。BJTビジネス日本語能力テストやビジネス日本語に関わる専門家と、この責任についてラウンドテーブルで話し合う。
3.「日本語中等教育」シンポジウム(8月4日)
このシンポジウムの目的は、世界の高等学校における日本語教育の現状について、全体像を把握できる場を提供することである。
4.「国立国語研究所講義シリーズ」(8月4日)
国立国語研究所の先生方と日本語研究の方法論などを考える。