日本語議連に期待する(インタビューシリーズ2)
- 2016/11/28
- インタビュー, ぷらっとニュース
- 外国人留学生, 日本語議連
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日本語議連に期待する(インタビューシリーズ2)
◎宮崎計実・情報誌「グローバル・コミュニティ」編集長(情報誌を発刊するかたわら、日本人学生と留学生のペアインターンシップや日本人学生と留学生の国際紅白歌合戦を企画するなどなど多彩な活動に取り組む)=聞き手・石原進
――日本語学校などの留学生との付き合いが長いですね。
宮崎氏 留学生といえば、どうしても大学とか高等教育の留学生に目がいってしまいますが、本当に大事なのは日本語学校の留学生だと思う。日本語学校の先生は極めて重要な存在で、言葉だけでなく、来日して初めて日本での生活全般、様々なことを教えてくれます。困った時に留学生は誰に相談するかといえば、卒業してからもそれは日本語学校の先生だという話もよく聞きます。政府は「留学生30万人計画」を進めていますが、もっと日本語学校の存在に目を向けるべきだと思う。日本語学校側も組織的にもう少しうまく動けばその存在が多くの人に知られるようになるのだが。
――日本語教育の在り方を議論する日本語教育推進議員連盟ができました。
宮崎氏 政治の世界で話題になれば、一般の人にも認知されるようになる。議員連盟ができたことで、日本語教育や日本語学校が注目されるわけですから、議連の存在はすごく意味があると思う。日本語教育の中身もレベルアップして欲しい。
――独自に留学生支援をしていますね。
宮崎氏 留学生に何が一番大変かと聞いたら、家を借りることだと言うんです。そこで不動産会社にお願いして留学生のインターンシップをやったんです。不動産業界の中にカウンターパートになってくれた素晴らしい人がいたので、7年間も続き、留学生への理解が深まっています。日本の企業担当者と留学生がペアになってお互いが学び合うというインターンシップは、他にありませんし、両者にとって一生忘れることがない経験になっています。観光庁の後援をもらって地方の旅館や観光局と連携して地域起こしのインターンをする機会もつくりました。また、留学生が日本の学生と友達になる機会が少ないと聞いていたので、国際紅白歌合戦というイベントを6年前から毎年、東京で開いています。歌を通じた国際交流です。
――来年はフィリピンのセブ島で国際紅白歌合戦を開くそうですね。
宮崎氏 その準備のため日本語を勉強しているフィリピン人の学生に会いにセブ島の大学に行きました。訪問した大学には正規の日本語講座はなくパートの先生によるちょっとした講座しか開かれていませんでした。中国語や韓国語はきちんとした講座があり、教材や先生も派遣しているようでした。中国、韓国は自分の国の文化を広めようと懸命に取り組んでいます。カラオケに行っても韓国のKポップばかり。どこでも「あなたはコリアンですか」と聞かれた。国際紅白歌合戦を海外で開くことによって、日本語を習う人の間で評判になれば、歌を通じて日本語の普及にも貢献でき、日本の存在感も高まるかもしれません。