AJALT設立40周年の祝賀会 300人が〝不惑の年〟を祝う

AJALT設立40周年の祝賀会 300人が〝不惑の年〟を祝う

公益社団法人・国際日本語普及協会(AJALT)の設立40周年の祝賀会が19日、千代田区の学士会館で開かれた。AJALTといえば、日本語教育をけん引してきた草分け的な団体として知られる。政官界、学会、さらには日本語学校の関係者など約300人が駆けつけ、AJALTの〝不惑の年〟を祝った。

冒頭、主催者としてあいさつした関口明子理事長は過去のあゆみを振り返りながら「AJALTのミッションは日本語や日本文化を通じて世界平和に貢献していくことです。丁寧な日本語教育を通じた豊かなコミュニケーションで信頼関係を構築することは平和外交であり、ミッションの具現化だと思います」と述べた。

AJALTが文部省(当時)認可の社団法人となったのは1977年。正確にいえば昨年2月が「生誕40年」で、西尾珪子氏らが70年から任意団体とし日本語教育の普及に取り組んだというから、そこから数えれば〝実年齢〟は48歳だ。

中曽根政権が「留学生10万人計画」を打ち出したのは83年のこと。以後、日本語学校が雨後の竹の子のように林立したが、その10年以上も前から日本語教育の普及に尽力してきたわけだから、まさに先駆者として果たしてきた功績は大きい。2010年に公益社団法人に移行し、より公益性の高い団体として活動している。

初代理事長で現会長の西尾氏、2代目理事長の宮崎茂子氏、さらには現理事長の関口氏とAJALTをリードしているのは女性たちだ。日本語教師にも女性が多い。細やかな心遣いでビジネスマンやその家族をはじめ、外交官、難民、留学生、技能実習生、地域の定住外交人など多種多様な外国人に日本語教育を行ってきた。また、教材開発、教師養成などにも力を発揮してきた。

日本語教育に関しては、超党派の日本語教育推進議員連盟が日本語教育推進基本法(仮称)の制定を目指しており、基本法制定後はAJALTの存在感がさらに高まりそうだ。

祝賀会では、参院議員で元少子化担当相の猪口邦子氏や日本語教育学会会長の石井恵理子氏、石橋財団理事長の石橋寛氏、セイコーホールディング代表取締役の中村吉伸氏が来賓としてあいさつし、和やかな雰囲気のなかでAJALTの40周年を祝った。

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