減災のための「やさしい日本語」の新たな用語を公表 震災から7年の3・11に


減災のための「やさしい日本語」の新たな用語を公表 震災から7年の3・11に

震災などの災害時に外国人に迅速かつ正確に危険情報などを伝達するための「やさしい日本語」を研究、開発している弘前大学人文社会科学部の社会言語学研究室(佐藤和之教授)は、東日本大震災から7年の11日の震災発生時刻午後2時46分に新たな「やさしい日本語」の資源(用語)をホームページで公表する。災害時に活用が望まれる報道各社にリリースした。

同研究室によると、災害時に使う外国人向けのラジオや掲示物の日本語文案について、外国人留学生を対象に理解度の検証実験を行ったところ、やさしい日本語文案を用いた災害時の情報伝達が日本語に不慣れな外国人にとって極めて有効なことが分かった。検証実験は36人を対象に行い、実際に報道されたNHKニュースとやさしい日本語で作成したニュースを2つのグループに聞かせた結果、NHKニュースを聞いたグループの正答率が29.3%だったのに対し、やさしい日本語ニュースの正答率は90.7%だった。

今回、同研究室が公表する新たな「やさしい日本語」は、カタカナ外来語やアルファベットが「やさしい日本語」として使えるかどうかを判断し、使えない場合はどう表現したらいいかを提示するという。マスメディアや被災外国人を支援する行政職員、ボランティアのスタッフにとって貴重な情報になりそうだ。

やさしい日本のURL:http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/EJ1a.htm

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