法務省が10月から日本語学校の設置基準を一部厳格化
- 2018/5/26
- ぷらっとニュース
- 出稼ぎ留学生, 設置基準
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法務省が10月から日本語学校の設置基準を一部厳格化
外国人留学生の急増に伴い、教育の質の確保を十分にできない日本語学校が増えているとして、法務省が10月から、日本語学校の設置基準の一部を厳しくする方針を決めた。日本経済新聞のサイトが24日付の記事として配信した。
日経新聞によると、日本語学校の中には留学生にアルバイト先を紹介し、週28時間の法定時間を超える就労をさせたとして、学校経営者が摘発される例が複数発生。いわゆる「出稼ぎ留学生」が横行していることによるトラブルが起きている。こうした事態を防ぐため、法務省が設置基準の一部改正することになった。
改正の一つは、授業期間を年35週にわたるよう求める規定を新設し、留学生が年間を通じて満遍なく授業を受けるようにすること。現行の設置基準では授業に関して「年760時間以上」と定めているだけで、全単位を半年で取得させ、長期休暇でアルバイトがたくさんできると宣伝している学校もあるという。
また1人の校長が複数の日本語学校の校長を兼務し、管理体制が不十分になっているケールもあるため、新規定では校長の兼務は「2校まで」とする。兼務する場合は副校長をおくことを求める。現行の基準では、「教育に関する業務に原則として5年以上従事した」ことなど校長の条件としているが、日本語学校が急増する中で校長の人材も不足している。すでに認められている日本語学校については、5年間の経過措置を設ける。
日本語学校の教育の質の低下に関しては、ベトナムやネパールなど非漢字圏のアジアの留学生が増えていることも影響しているとの指摘がある。さらに様々な分野で労働力が不足し、留学生のアルバイトが貴重な労働力となっていることも否定できない。
2017年5月現在の留学生数は約26万7000人。このうち日本語学校の留学生は前年比15%増の7万8000人にのぼる。日本語学校も急増し約680校(今年4月)あり、法務省の「管理」からの規制だけでなく、教育や労働法制の面からも対応が必要だ。
超党派の日本語教育推進議員連盟が2016年11月に発足し、日本語教育推進基本法(仮称)の制定を目指しており、29日の総会には基本法案の政策要綱が提示される見通しだ。