日本語教育推進議員連盟が12月3日に総会 日本語教育推進法案を策定へ、臨時国会への提出は困難か
- 2018/11/29
- ぷらっとニュース, 日本語議連
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日本語教育推進議員連盟が12月3日に総会 日本語教育推進法案を策定へ、臨時国会への提出は困難か
超党派の日本語教育推進議員連盟(河村建夫会長)は12月3日、第11回総会を開き、2年間にわたり議論を重ねてきた日本語教育推進法案を最終決定する。日本語教育を「国の責務」と明確に位置付けたほか、政府に「日本語教育基本方針」の策定を義務付けるなど、日本語教育を進めるうえで重要な根拠法令となる見通しだ。また外国人労働者受け入れ拡大に向けても日本語教育の重要性が指摘されている。しかし、今国会では外国人労働者受け入れの入管法改正案をめぐり与野党が激しい攻防を展開しており、超党派の議連による法案とはいえ今国会の提出は困難との見方が強い。
日本語議連は2016年11月に第1回の総会を開いた。以後、様々な分野の日本語教育の団体や専門家からヒアリングを行い、今年5月の第10回総会で日本語教育推進基本法(仮称)の政策要綱(原案)を提示し、了承された。その後、中川正春会長代行、馳浩事務局長ら立法チームのメンバーが内容を精査。衆院法制局の専門家などを交え原案を条文化し、名称から「基本」の文字を削除するなど修正を加えて原案としての体裁を整えた。ただし、総会で出席議員から意見を聴きいたうえで詰める点もなおあり、第11回総会で議連としての総意を取り付けて法案を公表する見通しだ。
政策要綱やこれまでの議論によると、「国の責務」については、国内が文部科学省、海外の日本語教育は外務省が所管すると想定。また地方公共団体、外国人を雇用する事業主の責務も規定し、それぞれの責任体制を明確にすることで、日本語教育の施策の有機的に推進したいとしている。
注目されるのが、「日本語教育基本方針」。基本的な方向や推進する日本語教育の内容などを文部科学省と外務省が日本方針としてまとめ閣議で決定するとしている。日本語教育の基本方針が政府の施策として位置づけられることで方向が明らかにされる意味は大きい。
「基本的施策」では、内外の日本語教育の対象を具体的に示した。この中では、外国人の児童、生徒をはじめ、外国人留学生、外国人就労者、難民、地域の日本語教室、海外の外国人や在留邦人の子供らに対する施策などを挙げている。
さらに「日本語教育の水準の維持向上」の中で、「標準的な水準の明確化」、日本語教師の研修機会の確保の促進、資格に関する仕組みの整備などうたっている。日本語教師の資格については、柴山昌彦文科相が「スキルを証明するため新たな資格の整備を進めている」の述べており、来年度には具体的な資格の在り方が示される見通しだ。
にほんごぷらっと編集部