「外国人材拡大賛成57%」読売新聞世論調査

「外国人材拡大賛成57%」読売新聞世論調査

読売新聞は5月5日の朝刊で、外国人材に関する全国世論調査の結果掲載した。それによると、外国人材の受入れ拡大に「賛成」が57%で、「反対」の40%を上回った。ただ、外国人が近所に住むことに抵抗を感じる人が53%いた。政府の外国人労働者受け入れ拡大の方針に理解を示す人が過半数を占める一方で、懸念を感じる人も少なくなかった。政府は外国人労働者受け入れ拡大に向け、国民の理解を得るための啓発活動などに力を入れるべきだ。

全国世論調査は1面トップで概要を報じたほか、2ページの特集面で調査結果を詳報し、その分析や識者の見方、外国人の声も掲載した。それによると、身の周りに外国人が多くなったと「感じている」と答えた人は74%で、コンビニや飲食店で働く外国人、外国人観光客の増大などが影響しているという。

外国人と一緒に働くことに抵抗を感じるかの問いには、「感じる」40%、「感じない」が57%だった。外国人が近所に住むことに抵抗を感じるかどうかについては、「感じる」は53%で「感じない」は47%。職場で一緒に働くより、外国人が近所に住むことへの抵抗感が強かった。

外国人と接触する際に、壁になっていると感じたこと(複数回答)は「言葉が通じない」が

69%でトップ。「文化や宗教、価値観が異なる」が48%、「生活習慣が異なる」が45%など。その結果は、日本語教育が優先すべき課題であることを示している。 

欧米で「反移民」を訴える政党や政治家が支持を集めていることに関連して、日本でも「移民」を受け入れた場合、同様の現象が起きると思うかと聞いたところ、76%が「起きると」と答えた。その一方で、定住を前提として日本に移り住む移民の受け入れの賛否では、「

賛成」が51%、「反対」が42%だった。移民受け入れの賛成・反対の理由を自由回答で尋ねたところ、賛成派の間には人手不足の解消への期待、反対派の間では治安の悪化、文化的摩擦、多民族国家になることへの不安などがあった。

また、識者として日本国際交流センター執行理事の毛受敏浩氏が「優秀な人材の定着策を示せ」と外国人受け入れの促進させる政策を求めているが、毛受氏は著書「限界国家」(朝日新書)で外国人が増加しているにも関わらず、犯罪に関わって検挙された事案が減少傾向にあることを指摘するなど、移民受け入れの「タブー」には根拠がない、または根拠が薄いもことを丁寧に解説している。

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