日本語教育推進に関する政府の基本方針作成に向けての「海外からの声」

日本語教育推進に関する政府の基本方針作成に向けての「海外からの声」

「にほんごぷらっと」にカナダ在住の高邉フレンチ 淑美さんより、「海外の親の声を聞いてください!」と題した投稿をいただきました。政府が日本語教育推進法に基づき6月にも閣議決定する日本語教育推進の基本方針の原案づくりのために設置された「日本語教育推進関係者会議」の委員19人の中に海外在住の関係者は含まれていません。高邉フレンチさんの投稿は、「自分たちの声も聞いてほしい」というメッセージです。以下、その全文を掲載させていただきます。

今後、政府は基本方針案を作成後、それを公表しパブリックコメントを募集する予定です。その際にも「にほんごぷらっと」としては、内外を問わず、コメントをいただければ掲載する方針です。

にほんごぷらっと編集部

 

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                            海外の親の声も聞いてください!

「日本語教育の推進に関する法律」の運用基本方針を決定する皆様へ

私は国際結婚で生まれた子供たちをカナダで、様々な紆余曲折を経て日本語も流暢に話せるように育てた母親です。このたび、2019年6月に公布,施行された「日本語教育の推進に関する法律」の運用基本方針が今年6月に決まると聞き、微力ながら海外定住者の声も聞いていただきたく文書をしたためましたのでお読み戴けると幸いです。

条文には、「第19条 国は、海外に在留する邦人の子、海外に移住した邦人の子孫等に対する日本語教育の充実を図るため、これらの者に対する日本語教育を支援する体制の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。」と明記されています。この条文によって、海外在留邦人、特に同じ日本人でありながら今まで日本政府の関心の外にあった海外定住日本人または国際結婚家庭の1.5世代または第2世代にあたる子どもの継承日本語教育にも、公的支援を得られる可能性が出てきたことはたいへん喜ばしいことだと思います。しかし、日本語教育推進関係者会議に海外定住の子どもの日本語教育に関わる人が1人も含まれておらず、2世児の日本語教育についてほとんど触れられていないことに私は大きな危機感を抱いています。

海を渡った移住者の子ども世代である1.5または第2世代に対して、親は日本語および日本文化を継承しようと涙ぐましい努力を試みます。よって彼ら2世児は親の影響を受け、日本語を話さない日系人子孫や外国人日本語学習者とはまた違った質の日本に対する愛着を持ち、高度に日本語や日本文化を継承して、真のバイリンガル・バイカルチャー人材として日本をサポートできる可能性を持っています。しかし、今まではそのような人材育成の責任はすべて親の自助努力に任されてきており、その重圧は親だけではなかなか耐え難いものとなっています。

継承日本語を使えるようになるには20年という年月が必要です。しかし、海外日系コミュニティ、それも日本語が使える人のコミュニティはたいへん小さく、海外定住2世児は日本語を習っても使う場所や機会がほとんどないため、日本語の必要性をなかなか感じることができません。また、成長して日本の大学の国費留学やJETプログラムへ応募しようとしても2重国籍者は除外という日本の対応にぶつかり、いつしか彼らも日本語から離れいくというのが現状です。私は、子どもが日本語学習を嫌がるので、親が泣く泣く子どもの日本語教育を諦めていく姿をたくさん見てきました。

何もしなければ移住者の子どもの母語(継承語)は「5歳までに消える」と言われています。しかし、親の努力と日本政府の援助を掛け合わせれば、海外に数十万人はいるだろう優秀な2世児の母語の消失を食い止め日本語習得を促進することができます。そして、将来成長した彼らが今度は日本に多大な利益を運んでくることでしょう。

私は以下のことを運用基本方針に入れていただきたいと考えます。

1.日本への国費留学とJETプログラムに2重国籍者を認める、または別枠を作る。
2.海外定住2世児のための日本語教育・日本語イベントをサポート。
3.バイリンガル教育専門家による親へのアドバイスと精神的サポート。
4.2世児の日本の小中高校への体験入学や交換留学の促進。

若者が減っていく日本が優秀な人材を確保するためには、海外定住2世児を活用することは今や避けて通れないことではないでしょうか。ぜひ、海外にいる数十万人もの金の卵の存在に注目していただきたいと思います。

2020年3月11日 カナダにて
高邉フレンチ 淑美

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12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
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日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
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本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
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11月 22 @ 7:00 PM – 12月 13 @ 8:30 PM
※この講座の内容は2022年実施分に準じます。 教室内談話: 学習者間相互交流とL2学習を考える 学習者同士が互いに話し合う活動は、近年の外国語(L2) 教室には不可欠です。また、学習者同士 が学習言語で対話する活動の意義やL2 習得における効果は、外国語教育において興味深いトピッ クの1 つです。本講義では第二言語習得理論を適宜参照しながら、外国語教室で行われる学習者同 士の対話の意義や先行研究で明らかになっている効能、より効果的な実践法や課題と展望について 考察を深めます。 【全4回】 日程: 第1回:2024年11月22日(金)19:00-20:30 第2回:2024年11月29日(金)19:00-20:30 第3回:2024年12月6日(金)19:00-20:30 第4回:2024年12月13日(金)19:00-20:30 内容: 第1回:「学習者同士のL2 対話」と第二言語習得理論 第2回:「学習者同士のL2 対話」と第二言語学習 第3回:「学習者同士のL2 対話」と教師 第4回:「学習者同士のL2 対話」とこれからのL2 指導 【受講料】9,000円(税込)※1講座のみお申込み:2,500 円(税込)
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テーマ:ビジネス日本語における「チームワーク」を考える 現在、外国人材を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。日本で働く外国人労働者の増加、人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度の創設などにより、インクルーシブな職場づくりの重要性が増しています。そこで、第38回ビジネス日本語研究会では、「チームワーク」をテーマとします。経済産業省が提唱した「社会人基礎力」のひとつである「チームで働く力」を、インクルーシブな職場ではどのように考えるのか、日本企業で採用に関わる方々のお話も伺いながら、「チームワーク」について、様々な視点から考えます。当日は多くの方にご参加いただき、活発な議論、意見交換が行われることを期待しています。 また、併せて研究発表を実施いたします。

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