外国人にも給付金10万円を支給 日本語学校やNPOなど支援団体はサポートを

外国人にも給付金10万円を支給 日本語学校やNPOなど支援団体はサポートを

政府は4月20日、「新型コロナウイルス感染症緊急対策」を閣議決定し、特別定額給付金1人あたり10万円を支給する方針が決まった。早ければ5月中に支給が始まる。外国人も含め生活困難者にとっては朗報だ。ただ、外国人の場合、申請手続きが理解できない人が少なくないと想定される。外国人を雇用する企業や留学生を受け入れている日本語学校・大学、外国人を支援するNPOなどが申請手続きのサポートをする必要がありそうだ。

総務省によると、給付対象者は今年4月27日現在、住民基本台帳に記載されている者。入管法と住民基本台帳法が改正され、2012年7月から外国人も市区町村で住民登録をすることなった。地域住民として、社会の一員として、外国人も様々な行政サービスが受けられるようになっている。

給付金の申請は、郵送法式とマイナンバーカード所持者が行えるオンライン方式の2種類。郵送の場合は市区町村から郵送された申請書に振り込み口座を記入し、本人確認の書類の写しを添えて市区町村に送付する。外国人は在留カードなどの写しが必要だろう。オンラインの場合は、ポータルサイトに振込口座などをアップロードする。

外国人も4月27日現在、住民基本台帳に登録されていれば、その住所に申請書が送付される。母国に一時帰国している留学生や、転居しながら改めて住民登録をしていない外国人はどうなるのか。本人に申請書が届かないことが想定される。しかし、申請書が直接本人に届かなくても、所定の申請手続きができれば、給付金は支給されるはずだ。

外国人は日本語が十分に理解できない人が少なくない。また行政の事務手続きに慣れていない。このため、日本人の支援が必要とされるケースも多々あると思われる。給付金交付を装った詐欺が横行することも懸念される。コールセンターが開設され、市区町村の担当窓口で様々な相談に応じることになっているが、日ごろから外国人とつながりのある日本人側の様々な支援が求められそうだ。

以下、高市早苗総務大臣の20日の記者会見

https://www.youtube.com/watch?v=MIqnljvou8A&list=PL7PI1l61-EVI3kTCIsRL4Twae44-TzXO1&index=2&t=0s

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