共生社会に向けた政府の総合的対応策の改定版を閣議決定
政府は2018年12月に策定した「外国人材受入れ・共生のための総合的対応策」(以下、総合的対応策)の改訂版を7月14日に閣議決定した。新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえるなどして内容を〝バージョンアップ〟し、計191の施策を盛り込んだ。
総合的対応策は、改正入管法で法務省入国管理局が出入国在留管理庁に格上げされたのに伴い、在留外国人の生活環境の整備などを目的に策定された。その後、政府は昨年6月と12月に内容を補足、充実させた改訂版をまとめて閣議決定した。今回は、新型コロナウイルスの感染が収束したあとの来日する外国人の増加を見込んで施策の内容を見直した。
新たな総合的対応策では、冒頭の「基本的な考え方」の中で「もとより、外国人との共生をめぐる状況は、絶えず変化し続けていくものであり、総合的対応策に盛り込まれた施策を実施していれば足りるというものではない。国民及び外国人の声を聴くなどしつつ、引き続き定期的に総合的対応策のフォローアップを行い、必要な施策を随時加えて充実させながら、政府全体で共生社会の実現を目指していく」としている。
総合的対応策は、①外国人との共生社会の実現に向けた意見聴取・啓発活動等②外国人材の円滑かつ適正な受け入れの促進に向けた取り組み③生活者としての外国人に対する支援④新たな在留管理体制の構築——の4部構成。新型コロナ関連では、感染症の影響で解雇された外国人の支援等を盛り込んだ。
日本語教育に関しては、3部の「生活者としての外国人に対する支援」の中に盛り込んでいる。日本語教育の充実策としては、▽「生活者としての外国人」に対する日本語教育の充実(地域における日本語教育環境を強化するための総合的な体制整備、日本語教育の推進に関する法律に基づく地方公共団体の基本方針の作成の促進等)▽日本語教室未設置の地域における日本語教室開設に向けた支援の強化▽日本語教師の資質・能力を証明する新たな資格である公認日本語教師(仮称)制度の整備▽外国人材との効果的なコミュニケーションを行う上でのポイントやその学ぶ手法の調査等▽日本語教育を行う機関のうち 、 日本語教育の水準の維持向上を図る上で必要な適格性を有するものに関する制度の整備の検討――を挙げている。
総合的対応策の新たな改訂版の全文は以下のURLでご覧ください。
http://www.moj.go.jp/content/001323661.pdf