続・いま、なぜ「にほんごぷらっと」なのか?
- 2020/12/1
- 時代のことば
- にほんごぷらっと, 日本語教育推進議員連盟, 日本語議連
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続・いま、なぜ「にほんごぷらっと」なのか?
「にほんごぷらっと」は、インターネットサイトの立ち上げ時に「『にほんごぷらっと』とは」のページに「いま、なぜ『にほんごぷらっと』なのか?」という文書を掲載した。目指す目標をはっきりさせるのが目的だった。ただ、ここ数年で日本語教育のめぐる環境が大きく変化した。このため、私たちの果たすべき役割も変化しているように見える。以下、「続・いま、なぜ『にほんごぷらっと』なのか?」を掲載し、私たちの考えを示しておく。
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2016年11月に発足した超党派の「日本語教育推進議員連盟」は、その活動の成果として2019年6月に日本語教育推進法を制定しました。これを受けて政府が2020年6月に日本語教育の推進に関する基本方針を閣議決定しました。日本語教育の推進に向けた法的な枠組みがおおむね整備されたことになります。
インターネットサイト「にほんごぷらっと」は、日本語議連の活動を幅広く伝えることを大きな目的として発足しました。議連の総会の議論を詳報したほか、議連メンバーの講演、さらには日本語教育や多文化共生に関係する様々な動きに関する情報を、サイトを通じて発信してきました。その意味では日本語教育推進法の制定や政府の基本方針を決定されたことで、「にほんごぷらっと」の当初の目的は果たせたものと認識しています。
ただ、「にほんごぷらっと」にはもう一つの役割があります。「にほんごぷらっと」の正式な名称は日本語教育情報プラットフォームです。役割とはその名の通り「情報プラットフォーム」として、多くの皆様に対して「情報の広場」を提供することです。先に「『入門・やさしい日本語』認定講師養成講座」を開催しましたが、外部の人が参加できるプログラムを企画・運営することを「にほんごぷらっと」の主たるミッションにしたいと考えています。
日本語教育推進法が制定されたことで、日本語教育の重要性が広く認識されましたが、同時に推進法に則った様々な教育課題が浮上しています。留学生のための「読み・書き」中心の教育だけでなく、生活者としての外国人や外国人労働者向けの日本語教育の必要性が叫ばれています。多様でより実践的な「やさしい日本語」への需要も高まっています。
私たちは日本語教育の研究者でも教育者でもありません。しかし、新たな時代のニーズを先取りした取り組みができないか。そんな想いを頭に浮かべつつ、「にほんごぷらっと」を舞台にして日本語教育のサポーター役を果たしたいと考えています。
具体的には、これまでの「情報の発進」から「情報交流の広場」へと活動のウエートを移す、ということです。微力ですが、「にほんごぷらっと」の活動が日本語教育の底上げにつながれば幸いです。
2020年12月
日本語教育情報プラットフォーム(にほんごぷらっと)
代表世話人 石原 進