故李秀賢さんの母・辛潤賛さんが命日を前にオンラインでメッセージ

故李秀賢さんの母・辛潤賛さんが命日を前にオンラインでメッセージ

2001年1月26日、JR新大久保駅で線路に落ちた人を助けようとして日本人カメラマンとともに電車にはねられ死亡した韓国人留学生の李秀賢さん(当時26歳)。今年はその事故から20年を迎える。例年は来日して現場で献花し、手をわせる母の辛潤賛(シン・ユンチャン)さんは新型コロナウイルスの感染拡大で来日できず、命日を前にした20日、韓国・釜山からオンラインによる報道関係者との会見を通して息子への追悼を続ける関係者に感謝の気持ちを語った。

李秀賢さんの両親は悲劇の事故によって寄せられた見舞金を留学生のために役立ててほしいとNPO法人LSHアジア獎学会に寄託。その他の寄付金も併せて翌年から同獎学会が奨学金授与の事業に取り組んでいる。同獎学会の名誉会長だった父の李盛大さんは2019年3月に病気で亡くなり、辛さんが名誉会長を引き継いだ。

両親は奨学金授与式や命日の行事のため来日したほか、日韓交流の様々な事業にも参加し、李盛大さんは2015年に日本政府から旭日双光章を受賞したほか、亡くなった際には河野太郎外務大臣(当時)から弔意が示された。

LSHアジア奨学会から奨学金を授与された留学生は、2002年から昨年までに998人を数える。今年10月に予定されている授与式では1000人を超えることになる。この日韓交流の地道な取り組みに対しては、安倍晋三首相と朴槿恵大統領の両国首脳からメッセージが贈られたこともある。

辛潤賛さんのインタビューでの主な発言は以下の通り。

――この20年をどのように受け止めていますか。

辛さん 20年という歳月は長いと思っていたのですが、アッという間でもありました。いろいろな日本の方々、関係者の方々にご協力いただいたおかげで、LSHアジア奨学会が無事に運営されて息子の意思を継いでいただいて有意義な時間をすごしてきたと思います。

――いま、秀賢さんにかけてあげたい言葉あれば。

辛さん 息子には恥ずかくない姿を見せたいと、いままでやってきました。息子には私は頑張っていると伝えたい。

――今回、コロナ禍で初めて命日に来日できなくなりましたが。

辛さん これまではずっと日本にきていました。今回はやむをえずに来られなくなりましたが、皆さんが健康でいられるかどうかが心配です。

――26日の命日には事故があった地元の新大久保の商工関係者らが追悼をするそうです。

辛さん ひとつのイベントをするにしても、みんなで準備をしなければなりません。コロナ禍の中でもこういう風に思っていただいて準備をしていただく、その気持ちが有難いと思います。

――この20年で印象に残っていることは何でしょうか。

辛さん (秀賢さんに関する)書籍が出たり、ドキュメンタリー映画「懸け橋」が制作され各地で上映されたことも記憶に残りますが、これから先に繋げていくという気持ちの方も強いですね。LSHアジア奨学会の奨学金に授与が今年で1000人を超えるということも印象に残っています。奨学金授与式で会った学生さんもいますが、一度もあっていないない学生さんも活躍されていると思います。李秀賢というひとりの人間を通してこのような繋がりができたことを光栄に思っています。

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