末松文科大臣が日本への留学予定者に「お会いできる日を心待ちにしています」とメッセージ

末松文科大臣が日本への留学予定者に「お会いできる日を心待ちにしています」とメッセージ

末松信介文部科学大臣が12月8日、文科省の動画チャンネルで「日本留学を心待ちにしていた留学生の皆さまへ」と題したメッセージを公表した。同省のホームページに動画とともにルビ付きのメッセージ全文を掲載。コロナ禍で政府が日本留学を制限してきたことで、不安を募らせていた海外の留学予定者に対し、遅ればせながら政府として「歓迎」の意を示した。

政府は11月30日に変異種のオミクロン株の感染拡大の予防措置として留学生を含む外国人の入国を1カ月の間停止する方針を発表。11月8日に「制限緩和」を打ち出したばかりの措置で、留学生などから失望の声が上がっていた。留学生の受け入れを認めていないのは、先進7カ国(G7)では日本だけ。このため日本留学を予定していた海外の学生が、日本留学を諦めて韓国や台湾などに留学先を変えるケースが相次いでいた。

こうした状況に危機感を持った末松文科大臣が政府としての考えをメッセージとして発信したわけだ。この中で末松文科大臣は先の入国停止の措置を「私としても大変残念」としたうえで「日本に関心を持ち、留学して学びたいという思いを持つ皆さまが、来日して実際に日本に住み、キャンパスや地域社会において、様々な人と交流し、日本について理解を深めていただく機会があることはとても大切なことだと思います」と述べた。

また、留学生30万人計画を踏まえ、大学や日本語教育機関などへのオンラインによる日本語教育への支援を進める考えを強調。さらに入国が可能になったら文科省として手続きの迅速化に全力で取り組む意向を示し、「皆さまが日本で安心して学ぶことができる日が来るまで、皆さまの学習環境を整えつつ、日本で皆さまにお会いできる日を心待ちにしている」と歓迎のメッセージを送った。

背景には日本語学校の団体から政府・文科省への様々な働きかけや要望活動があった。文科省は日本語教育を「正式な教育」と認めていない中で、末松文科大臣が政治主導で留学生受け入れや日本語教育の推進を進める方針を示した意義は大きい。今後の文科省の対応が注目される。以下は末松文科大臣の動画のURL。

https://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1421560_00023.htm

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