日本語教育推進議員連盟前事務局長の馳浩さんが石川県知事に

日本語教育推進議員連盟前事務局長の馳浩さんが石川県知事に

石川県知事選は3月13日に投開票が行われ、元文科大臣で日本語教育推進議員連盟の前事務局長の馳浩さん(60)が保守の有力候補者などとの激戦を制し初当選した。馳さんは教育行政に精通した政治家で、日本語教育を進める日本語教育推進法や、夜間中学の普及などの義務教育機会確保法の制定にも力を発揮した。知事として石川県の多文化共生社会の構築にまい進することを期待したい。

馳さんは高校の国語教師、プロレスラーを経て1995に参院議員として政治家デビュー。2000年からは衆院議員を7期務めた。この間、文化科学大臣のほか、自民党の文教部会長、広報本部長などを歴任。また、議員連盟の活動にも積極的に取り組み、2016年11月に発足した日本語議連では事務局長として日本語教育推進法の制定に中心的な役割を果たした。また、外国人を含む不登校の子供のために夜間中学やフリースクールの普及させるための義務教育機会確保法の制定にも尽力した。

日本語議連など超党派の議員連盟による議員立法に関わってきた。馳さんが議員立法によって法整備をした件数は30本を超える。野党議員とも連携できるリベラル保守の草の根政治家として活動してきた。

石川県知事選に立候補するため昨年10月の衆院選には立候補をせず、国会議員としての活動に自らピリオドを打った。当時はそのキャリアから知事選では楽勝するとみられていたが、元金沢市長や元自民党参院議員が立候補。知事選は保守の有力候補3人を含む5人が立候補して大混戦となった。しかし、最後は自力で勝る馳さんが元金沢市長らを退け、初当選を果たした。

馳さんは当選確定後のNHKのインタビューで「コロナ対策をやらなければいけないということや、北陸新幹線の敦賀までの開業の大きなチャンスを控えて、あらゆる課題についての訴えを総合的に評価してもらったと思っている。三つどもえの選挙戦で生まれた溝を修復するのも私たちの知恵であり、県民の皆さんの思いを1つにする政策を実行していきたい」と述べた。

馳さんは国会議員として政策重視の活動に取り組んできた。日本語教育の推進や夜間中学の設置など、多文化共生の施策を推進する知事として活躍を期待したい。

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