小説家を目指す日系ペルー人 山田マックス一郎さんが語る夢とは

 

小説家を目指す日系ペルー人 山田マックス一郎さんが語る夢とは

山田マックス一郎さんは、日本で暮らす日系ペルー人だ。在留ペルー人は約48000人にのぼるが、山田マックスさんは、極めて珍しい小説家志望のペルー人だ。約30年前に来日した時には日本語がほとんどできなかった。しかし、文学少年だった山田マックスさんは日本語の読み書きをすぐにマスターし、通訳者としての仕事の傍ら、最近、長編のSF小説を書いた。題して「闇夜が訪れてくる」。山田マックスさんは、その作品を「にほんごぷらっと」に寄稿してくれた。

南米のペルーには多くの日本人が移民やその子孫が暮らす。その中で、ペルーの大統領になったアルベルト・フジモリ氏は「日系人の顔」と呼べる存在だ。1990年の改正入管法の施行後には、そのペルーからも「定住者」として来日する日系人が急増した。在日ペルー人は約4万8000人で、その数はブラジル人に次いで多い。彼らは戦前、戦後に海を渡った移民の子孫だ。言ってみれば移民が日本へUターンしてきた格好だ。

日本人に最も身近な外国人は在日コリアンである。1910年に日韓併合から数えれば100年を超える歴史がある。彼らの多くは日本社会に溶け込み、文学の世界でも著名な小説家や詩人を輩出している。日本の朝鮮半島への侵略の歴史や在日コリアンとしてのアイデンティティなどを題材にした作品が多い。「在日文学」という言葉も生まれている。

在日の日系人やその子孫が増える中で、在日コリアンのように今後、「在日日系人文学」という新たなジャンルが誕生するのかどうか。「にほんごぷらっと」は、山田マックスさんがその先駆者となることを期待したい。作品の「闇夜が訪れてくる」をサイトに掲載するので、ぜひとも読んでもらいたい。また、山田マックスさんにインタビューし、その中で自身のプロフィールや作品について語ってもらった。

にほんごぷらっと編集長・石原 進

 

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