日本語議連第19回総会 日本語教育機関認定法の施行に向けて政省令など議論

日本語議連第19回総会 日本語教育機関認定法の施行に向けて政省令など議論

日本語教育推進議員連盟(柴山昌彦会長、略称・日本語議連)は9月27日、衆院第一議員会館で第19回総会を開いた。先の通常国会で日本語教育機関認定法が成立し来年4月に施行されるが、認定法は日本語教育を大きく転換させることとなる。この日の総会では政府側から準備状況などが報告された。

冒頭、柴山会長が挨拶し、「岸田政権は今後、経済対策を取り組むが、労働力の確保が大きなテーマになる。その際、日本語教育が人材確保に大きな影響力を持ってくると思う。明示的に語られていないが、(日本語教育は)戦略的な重要な柱ともいえる話だ。各省庁の皆さんにはぜひともご理解、ご認識をいただきたい」と呼びかけた。

続いて中川正春会長代行が、日本語議連が2019年に議員立法で成立させた日本語教育推進法の精神に立ち返って取り組むよう求めた。日本語教育は外国人を受け入れる重要なインフラであり、中川氏は「日本語教育機関、日本語学校は入管が管理してきたが、新たな法律でそこから一歩前進させるもので、文部科学省が主管をして運用する。根本的に考え方が変わってきたことを受け止めてもらいたい」と語った。

総会には、文部科学省・文化庁、総務省、法務省出入国在留管理庁、外務省、厚生労働省、経済産業省の担当者のほか、日本語学校の6団体で構成する「日本語教育機関団体連絡協議会」の代表らが出席した。

日本語教育機関認定法では、政府が日本語学校を「認定」することで〝公的な教育機関〟とし、併せてそこで働く「登録日本語教員」に国家資格を付与する。さらに外国人留学生だけでなく、新たに地域の外国人や外国人労働者の日本語教育に関与する仕組みが構築される。

このため日本語教育は、日本語教育機関認定法の施行を受けて歴史的な大きな転換点を迎える。総会では各省庁の担当者が政省令の案作りなどの進捗状況を報告。質疑が行われた。また、日本語教育機関団体連絡協議会からは日本語議連に対し、法務省告示校からの新たな制度への移行に伴う経過措置などに関する要望があった。

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12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
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日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
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12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
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異文化間コミュニケーション入門 @ オンライン(ZOOM)
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※内容は2022 年度のものとほぼ同じです。 【全4回】 日程: 第1回:2024年8月29日(木)19:00-20:30 第2回:2024年9月5日(木)19:00-20:30 第3回:2024年9月12日(木)19:00-20:30 第4回:2024年9月19日(木)19:00-20:30 【内容】 第1回:文化とこころの関係 第2回:国や民族以外の異文化 第3回:文化を超えて分かり合う 第4回:ステレオタイプ・偏見・差別主催者のカテゴリ大阪YMCA日本語教育センター
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令和6年度生活指導担当者(中堅)... @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
10月 25 @ 10:00 AM – 5:20 PM
令和6年度生活指導担当者(中堅)研修 当協会では、日本語教育機関における生活指導担当者の能力向上を図るため、標記研修を実施しております。 今年度におきましても下記により実施しますのでご案内申し上げます。 なお、令和7年2月頃に初任の生活指導担当者を対象にした研修を実施予定です。 皆様のご参加お待ちしております。 1 日時 令和6年10月25日(金)10:00~17:20 2 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) 3 参加要件 日本語教育機関又は大学・専門学校等教育機関の現場において、 少なくとも3年程度実際に留学生の生活指導に携わっていること。 4 参加費 維持会員機関 8,800円(税込)/1人当たり その他の教育機関  17,600円(税込)/1人当たり 5 応募締切:令和6年9月27日(金) 6 詳細、申込方法 https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=3193&f=news 〔問い合わせ先〕一般財団法人日本語教育振興協会 事業部 小野寺陽子 TEL:03-6380-6557 FAX:03-6380-6587 E-mail: nisshinkyo2@gmail.com

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