労災防止に「やさしい日本語」を 日本語議連の里見事務局長が国会で議論

労災防止に「やさしい日本語」を 日本語議連の里見事務局長が国会で議論

日本語教育推進議員連盟事務局長の里見隆治公明党参院議員が参院決算委員会で質問に立ち、外国人労働者の労働災害を防止するため、「やさしい日本語」の活用を政府に呼びかけた。その具体的な活用について政府がどう対応するのか、今後の取り組みが注目される。

里見議員は元厚生労働省のキャリア官僚で労働行政に精通した政治家だ。決算委は5月19日に行われ、質問で里見議員は建設業において外国人労働者が増えている中、安全確保の観点から労働現場におけるコミュニケーションの在り方が重要になっていると指摘。そのうえで文化庁と入管庁がガイドラインを作成している「やさしい日本語」について、「労働災害事故の防止、安全第一という観点で、『やさしい日本語』を習得させる取り組みを、業界を挙げて、また監督官庁として進めていただきたい」と要請した。

これに対し国土交通省不動産・建設経済局の塩見英之局長が「外国人の労働者は建設業にとって大切な人材で、外国人労働者の安全の確保と、徹底は大変重要だと思っている。日本語が必ずしも十分に話せない段階からも現場作業に従事する機会があるわけで、その安全確保のための指示が誤解なく伝わり理解されるように、管理する側の工夫が大事だと思う」と述べた。

塩見局長はさらに「やさしい日本語ガイドライン」や厚生労働省の安全衛生管理の手引きで「やさしい日本語」の活用を呼び掛けているなど政府の対応を説明。また、労働現場の安全は労働安全衛生法と建設業法が一体となって確保する仕組みがあると述べ、「管理する立場の技術者と、作業をやっておられる外国人労働者の間の円滑な意思疎通は重要な課題だと思っており、業界全体で(やさしい日本語の)認知度が高まるよう、関係省庁とも一体となって、さらなる周知の工夫などを検討したい」と語った。

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