日本語議連が総選挙後初の総会 政府の日本語教育の取り組みを議論

日本語議連が総選挙後初の総会 政府の日本語教育の取り組みを議論

日本語教育推進議員連盟(柴山昌彦会長)は11月27日、第21回総会を開いた。先の総選挙後では初めての総会で、関係省庁から日本語教育の取り組みについてヒアリングを行うとともに、議連として認定日本語教育機関の戦略的な活用に関する政府への提言を議論した。

冒頭、あいさつに立った柴山会長は先の通常国会で日本語学校を公的な機関とする日本語教育機関認定法が成立したことを踏まえ、「社会の変化のスピードに私たちの取り組みがしっかりついていけるかどうかが改めて重要な課題となっている」と述べ、その方向性を見定めていくことが重要だと強調した。

続いて文部省をはじめ、入管庁、外務省、厚生労働省、総務省、経済産業省の担当者がそれぞれの取り組みと日本語教育に関する来年度予算の概算要求について報告した。また、日本語教育認定法の施行状況や新たな外国人受け入れの在留資格である育成就労の日本語能力向上の検討状況などについても担当者から説明があった。

一方、議員連盟は、このところ在留外国人が急増している中で日本語教育機関認定法が制定されたのを踏まえ、認定日本語教育機関の戦略的な活用等に向けた提言案を提示し、出席議員から意見を求めた。

提言案は、①外国人の子供に対する日本語教育等の充実②地域における日本語教育の推進をはじめとする日本語教育の推進③認定日本語教育機関の戦略的な活用の促進④育成就労制度の創設に対応した認定日本語教育機関の活用――の4つの柱で構成。日本語学習を求める外国人を「誰一人残されないように日本語を学ぶ機会を樹実させるべきだ」と主張している。

日本語学校については、外国人留学生だけでなく生活者や就労者の日本語育に対応するよう求め、新たに創設される登録日本語教員を活用した幅広い活動を促している。提言案については議員から「不就学児童の対応を地方自治体に任せず政府としても取り組むべきだ」「外国人児童の向けの日本語教材が必要だ」などの意見が出た。提言案は議員からの意見を踏まえ内容を一部修正し、後日、政府に提出する方針だ。

これに対し日本語学校の業界団体でつくる日本語教育機関団体連絡協議会の代表が意見を述べ、議連の提言案の方向性に賛意を示しながらも、日本語学校の教員不足の現状を訴え、対応策を検討するよう政府に求めた。

日本語教育推進法に続いて日本語教育機関認定法が制定され、日本語教育は新たな段階を迎えている。この日の総会では、議員連盟を中心に関係省庁と日本語学校の業界団体が活発に意見を交換。今後の日本語教育の在り方について課題が具体的に提示されるなど前向きな議論ができたようだ。

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