LSH奨学会名誉会長、辛潤賛さんの叙勲を祝う会 日韓の60人が祝福

LSH奨学会名誉会長、辛潤賛さんの叙勲を祝う会 日韓の60人が祝福
2001年にJR新大久保駅で線路に落ちた人を助けようとして命を落とした韓国人留学生の李秀賢さんの母親で、LSHアジア奨学会名誉会長の辛潤賛(シン・ユンチャン)さんが2024年秋の叙勲で旭日双光章を受章した。これを受け、「叙勲を祝う会」が4月16日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で日韓の関係者約60人が参加して開かれた。
辛潤賛さんと夫の李盛大(イ・ソンデ)さんは、息子を失った悲しみを乗り越え奨学会とともに日韓の交流や相互理解の活動に尽力してきた。李盛大さんは2019年に亡くなったが、2015年の春の叙勲で旭日双光章を受章している。辛潤賛さんの叙勲の伝達式は2014年12月、韓国釜山の日本総領事館で伝達式が行われ、韓国側の祝う会も開かれている。
辛潤賛さんの叙勲を祝う会は、LSHアジア奨学会の鹿取克章会長らが呼びかけ、奨学会の支援者や在日大韓民国大使館、日韓親善の団体関係者などが参加した。祝う会ではまず、李秀賢さんを偲ぶ映画「かけはし」のダイジェスト版が放映され、日韓議員連盟会長の菅義偉元首相のメッセージも読み上げられた。
挨拶に立った鹿取会長は「辛潤賛様の親しみ深いお人柄、若い人に寄り添う温かいお気持ちが奨学会の活動を支えてきました」とたたえ、「李盛大様に続き辛潤賛様が旭日双光章を受章されましたことに、ご連席の皆様とともに心からの敬意と感謝の気持ちを表明したいと思います」とお祝いの言葉を述べた。
また、来賓として出席した在日大韓民国大使館の金延珍(キム・ヨンジン)総領事が朴喆熙(パク・チョルヒ)大使の挨拶を代読。また日韓親善協会中央会会長で元官房長官の河村建夫氏もお祝いの言葉を贈った。
花束と記念品を贈られた辛潤賛さんは感謝の言葉を述べ、この中で「日韓両国の友好において第一人者になりたいと言っていた息子の願いは、私たちのもとを旅立って24年がたった今、日韓友好の象徴となったように感じます。ここまで続けてこられたのは皆様の奨学会への変わらぬ愛情と努力の賜物だと考えています」と語った。
会場には外務省北東アジア1課の栗田伸一日韓交流室長や日韓文化黄龍基金の小野正昭顧問のほか、留学生に冠奨学金を提供している企業、団体関係者、奨学会活動の支援者などが集い、辛潤賛の受賞を祝った。
にほんごぷらっと編集部・石原進