吉開章さんが「やさしい日本語」の新たな著書を出版 実践的なトレーニングを紹介

吉開章さんが「やさしい日本語」の新たな著書を出版 実践的なトレーニングを紹介

一般社団法人やさしい日本語普及連絡会代表理事の吉開章さんが、新たな著書「やさしい日本語3文トレーニング・はさみの法則で伝える・伝わる説明の技術」(駒草出版・定価1200円=税別)を出版した。やさしい日本語の仕組みだけでなく、コミュニケーションを向上させるための実践的なトレーニングの方法を掲載している。

吉開さんといえば、「にほんごぷらっと」と連携して「『入門・やさしい日本語』認定講師養成講座」を開催するなど、アクティブな活動を展開している。先に「入門・やさしい日本語」(アクス出版)を出版しているが、今回の新たな著書は、「やさしい日本語」を教える日本語教師などにも役立つ実践的な活用例を紹介している。

同書は計5章で構成。第1章のオリエンテーションで吉開さんはやさしい日本語が目指すのは言葉の「置き換え」から「説明する技術」へ移っていくと見通しを述べている。言葉の置き換えはAI技術によって自動化でき、実際には説明する技術のスキルを高めることが必要になると解説する。

そのための基本動作は「はっきり・さいごまで・みじかく言う『ハサミの法則』だという。同書はそのポイントを豊富な事例とともに紹介する。その中で最も大事なのは一文を「短く言う」ことで、その集中トレーニングの仕方を例示している。

書名にある「3文トレーニング」とは、外国人の質問に短い3文で答えるもの。例えは「月極駐車場とは何ですか」という質問に対し、①お金を払って車をとめておくところです②1カ月のお金を一度に全部払います③お金を払った人だけがここを使うことができます――いう3つの答えにを考える中でやさしい日本語力を養うわけだ。

同書には「やさしい日本語認定講師」が作った文章を使ったトレーニングや実践者のコラムなども掲載。「やさしい日本語」を使うことで外国人から「頼られる人になろう」と呼びかけている。

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