衆院選・日本語議連会長代行の中川氏(三重2区)が追い上げムード

衆院選は22日に投票日を控え、選挙戦は大詰めを迎えています。私たち「にほんごぷらっと」(日本語教育情報プラットフォーム)は、衆院解散・総選挙の公示にあたり超党派の「日本語教育推進議員連盟」に所属する議員(候補者)の議席獲得を祈念する旨を当サイトで表明し、議連の衆院議員の名簿を掲載しました。立候補された方は、頑張っていただきたいと考えます。特に日本語議連の活動をけん引してきた河村建夫会長(山口3区)、中川正春会長代行(三重2区)、馳浩事務局長(石川1区)の3氏には、必勝を期していただきたい。

しかし、マスコミの序盤の世論調査では、3氏のうち三重2区から無所属で出馬した中川氏については苦戦が伝えられました。無所属候補には「比例復活」の道はなく、落選した場合は議員ではなくなるので日本語議連の活動もできません。日本語教育関係者の間からは、選挙の行方を心配する声が聞かれました。

そこで「にほんごぷらっと」代表世話人の石原進が19日、三重2区の鈴鹿市を訪れ、選挙情勢を探ってきました。以下は、そのご報告です。

三重2区は中川氏と自民党の川崎二郎氏という元閣僚の大物候補が激突する選挙区として注目を集める。民進党の中川氏は、同党の候補者が希望の党から立候補する流れの中で最終的には希望の党にも立憲民主党にも加わらず、無所属として立候補する道を選んだ。こうしたドタバタ劇の余波で選挙準備が大幅に遅れたことは否めない。

また三重県内の衆院選の選挙区は今回、区割りの変更で三重2区も様変わり。このため川崎氏という強敵を相手にすることになった。当選回数は中川氏の7回に対し、川崎氏はそれを上回る11回だ。次期衆院議長の候補の一人だと言われる。

中川氏は強敵を相手にしながら、出遅れてしまったわけだ。序盤戦の世論調査で毎日新聞が「川崎氏が一歩リード」と報じるなど、「中川氏苦戦」の情報が伝わって来た。これについて中川陣営も「出遅れ」を認めている。しかし、懸命の巻き返しを図っている状況だという。19日に現地入りした石原に対し、中川陣営の幹部は「川崎氏の背中が見えてきた」と語り、追い上げムードを強調した。

石原は19日夜、中川氏の3つの個人演説会をのぞいた。公民館を会場にした30人と50人規模の演説会、それに小学校の体育館を使った300人規模の演説会。いずれも用意された椅子はほぼ埋まり、地域密着型の中川氏の選挙戦術を垣間見た思いだった。応援弁士は県会議員や市会議員が務め、自治会長らも支援の言葉を送った。

「せっかく東京から来たのだから、一言しゃべってほしい」と言われた私は、演説会の冒頭に「日本語教育推進議員連盟」での中川氏の活躍ぶりなどを簡単に紹介した。日本語教育といっても、三重の有権者にはピンとこなかったかもしれないが、人口減少と外国人受け入れが重要な課題となる日本の将来にとって日本語教育は極めて重要な政治課題であることを強調した。

ところで、日本経済新聞は20日の朝刊で衆院選の終盤情勢の記事で、「与党、300議席迫る勢い保つ」と自民党が優位に選挙戦を進めていることを報じた。この中で接戦114選挙区の情勢分析があり、「逆転=与党優勢→野党優勢・有力」の選挙区として三重2区を挙げていた。中川氏が優勢・有力だというわけだ。

読売新聞も20日朝刊で衆院選の終盤情勢を特集。「注目選挙区の選挙情勢」で三重2区について「中川と川崎が接戦のまま、終盤にもつれ込んでいる。無所属の中川は蓮舫・前民進党代表なども応援に駆け付け、女性の支持を4割強に伸ばした。旧1区が地盤の川崎は公明支持層の7割強を固めた。中川が先行する無党派層の取り込みが課題だ」と分析している。

選挙は水物。蓋を開けて見るまでは勝敗はわからないが、中川氏にとって「流れ」は悪くない。「あとひと踏ん張り」といったところだろう。

石原 進(いしはら・すすむ)日本語教育情報プラットフォーム代表世話人

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の運営団体である日本語教育情報プラットフォーム代表世話人。元毎日新聞論説副委員長、現和歌山放送顧問、株式会社移民情報機構代表取締役。2016年12月より当団体を立ち上げ、2017年9月より言葉が結ぶ人と社会「にほんごぷらっと」を開設。

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6月
12
12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
6月 12 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
6月
29
12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
11月
22
7:00 PM 教室内談話: 学習者間相互交流とL... @ オンライン(ZOOM)
教室内談話: 学習者間相互交流とL... @ オンライン(ZOOM)
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※この講座の内容は2022年実施分に準じます。 教室内談話: 学習者間相互交流とL2学習を考える 学習者同士が互いに話し合う活動は、近年の外国語(L2) 教室には不可欠です。また、学習者同士 が学習言語で対話する活動の意義やL2 習得における効果は、外国語教育において興味深いトピッ クの1 つです。本講義では第二言語習得理論を適宜参照しながら、外国語教室で行われる学習者同 士の対話の意義や先行研究で明らかになっている効能、より効果的な実践法や課題と展望について 考察を深めます。 【全4回】 日程: 第1回:2024年11月22日(金)19:00-20:30 第2回:2024年11月29日(金)19:00-20:30 第3回:2024年12月6日(金)19:00-20:30 第4回:2024年12月13日(金)19:00-20:30 内容: 第1回:「学習者同士のL2 対話」と第二言語習得理論 第2回:「学習者同士のL2 対話」と第二言語学習 第3回:「学習者同士のL2 対話」と教師 第4回:「学習者同士のL2 対話」とこれからのL2 指導 【受講料】9,000円(税込)※1講座のみお申込み:2,500 円(税込)
11月
30
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ビジネス日本語研究会 第38回 研究... @ オンライン(ZOOM)
11月 30 @ 1:00 PM – 5:00 PM
テーマ:ビジネス日本語における「チームワーク」を考える 現在、外国人材を取り巻く環境が大きく変わろうとしています。日本で働く外国人労働者の増加、人材育成と人材確保を目的とする育成就労制度の創設などにより、インクルーシブな職場づくりの重要性が増しています。そこで、第38回ビジネス日本語研究会では、「チームワーク」をテーマとします。経済産業省が提唱した「社会人基礎力」のひとつである「チームで働く力」を、インクルーシブな職場ではどのように考えるのか、日本企業で採用に関わる方々のお話も伺いながら、「チームワーク」について、様々な視点から考えます。当日は多くの方にご参加いただき、活発な議論、意見交換が行われることを期待しています。 また、併せて研究発表を実施いたします。

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