いま、なぜ「にほんごぷらっと」なのか?

いま、なぜ「にほんごぷらっと」なのか?

超党派の「日本語教育推進議員連盟」が2016年11月に発足、日本語教育推進基本法(仮称)の制定を目指し、議論を精力的に展開しています。政府の「骨太の方針」(経済財政の改革と基本方針2017)に初めて、「日本語教育の充実」という文言も盛り込まれました。政治の世界でいま、日本語教育に関する問題意識が大きく広がっています。その背景には、人口減少・労働力不足に伴う外国人の受け入れという、日本社会がこの先、避けては通ることができない、重く大きな課題があります。

そもそも日本に在住する多くの外国人は、日本語が十分には理解できません。彼らは、いってみれば「情報弱者」です。このため、外国人が日本で働き、暮らすのには、日本語を学んでもらわなければなりません。日本語が上達すれば、私たち日本人との十分なコミュケーションがスムーズにとれるようになり、相互理解が深まります。その前線で活躍する日本語教師の不足が深刻です。日本語教師養成は喫緊の課題です。街づくりにおける道路整備のように、日本語教育は多文化共生社会の重要なインフラです。政府はそれを公的な教育として位置づけ、責任を持ってその推進の務めるべきだと考えます。

ただ、一口に日本語教育といっても、進学のためのレベルの高い日本語教育から、ボランティアが初歩的な言葉を教える日本語教室までそのレベルは様々です。ビジネス日本語や介護のための日本語の必要性も指摘されています。震災など災害時の防災・減災のため、そして行政機関が住民としての外国人と接するためのやさしい日本語も必要だといわれています。さらには、日本人が外国人観光客にも通じる「やさしい日本語」を学び、ツーリズムに活用している観光地もあります。

私たちが開設した日本語教育情報プラットフォーム、通称「にほんごぷらっと」は、そうした多種多様で多彩な日本語教育のニーズに応えるためのホームページだと考えています。日本語教育をめぐる様々な情報を多くの人たちと共有し、課題の解決のための足掛かりを発掘できないか。そんな問題意識を持っています。

「にほんごぷらっと」は、平たく言えば日本語教育に関する「情報交流の広場」です。日本語教育推進基本法が成立し、政府が主体的に日本語教育をリードする態勢が整った時、その役割はより重要になると確信しています。文化や国籍の違いを問わず、1人でも多くの方に参加していただきたいと考えています。

日本語教育情報プラットフォーム

代表世話人   石原 進

 

 

 

——————————————————————————————————–

日本語教育情報プラットフォーム事務局

住所:東京都千代田区九段南2-3-9 サン九段ビル2階

電話:03‐3527‐9900

FAX:020-4664-2243

URL: http://www.nihongoplat.org

Mail: info@nihongoplat.org

 

団体概要

石原 進(いしはら・すすむ)日本語教育情報プラットフォーム代表世話人

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の運営団体である日本語教育情報プラットフォーム代表世話人。元毎日新聞論説副委員長、現和歌山放送顧問、株式会社移民情報機構代表取締役。2016年12月より当団体を立ち上げ、2017年9月より言葉が結ぶ人と社会「にほんごぷらっと」を開設。

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

イベントカレンダー

6月
12
12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
6月 12 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
6月
29
12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
1月
31
10:00 AM 令和6年度生活指導担当者(初任)研修 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
令和6年度生活指導担当者(初任)研修 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
1月 31 @ 10:00 AM – 5:30 PM
当協会では、日本語教育機関における生活指導担当者の能力向上を図るため、標記研修を実施しております。 今年度におきましても下記により実施しますのでご案内申し上げます。 「認定日本語教育機関に求められる外国人留学生の生活指導支援とは」をテーマに講義とグループワーク及び懇親交流ネットワーク会(任意参加))の三部構成としました。 日頃の業務課題の解決・モチベーションアップに、ぜひご活用ください。 1 日時 令和7年1月31日(金)10:00~17:30 2 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) 3 参加要件 日本語教育機関又は大学等教育機関の現場において、 実際に留学生の生活指導に携わり、原則 3 年以内の者。 4 参加費 維持会員機関 8,800円(税込)/1人当たり その他の教育機関  17,600円(税込)/1人当たり 5 応募締切:令和7年1月10日(金) 6 詳細、申込方法 https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=3245&f=news 〔問い合わせ先〕一般財団法人日本語教育振興協会 事業部 小野寺陽子 TEL:03-6380-6557 FAX:03-6380-6587 E-mail: nisshinkyo2@gmail.com

注目の記事

  1. セサルの挑戦 第10回 国際紅白歌合戦をプロデュースする宮崎計実さん …
  2. 多文化共生社会の「究極の少子化対策」とは?カギを握る外国人支援団体の活動 人口減少が急…
  3. 認定日本語教育の法案を閣議決定、国会に提出 政府は2月21日、「認定日本語教育機関」と「登録日…

Facebook

ページ上部へ戻る
多言語 Translate