フリースクール・夜間中学支援の法案が成立へ

日本語教育推進議員連盟(略称・日本語議連)の馳浩事務局長に6日午前、インタビューする機会がありました。毎日新聞社の政策情報誌「毎日フォーラム」が1月号で「日本語教育特集」を予定しており、その原稿執筆を依頼され、インタビューをお願いしたわけです。その際、馳さん自身が深く関わり、思い入れのある法案が今国会で成立の運びとなったことを知らされました。「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律案」がそれです。6日の参院文教科学委員会で賛成多数で可決されました。本会議に提案される段取りです。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

 この長い名前のついた法案を提案したのは、超党派フリースクール等議員連盟と夜間中学等義務教育拡充議員連盟です。不登校の児童や生徒、学習機会を逃した人たちのための議員立法の法案で、馳さんだけでなく、河村建夫会長、笠浩史幹事長、中川正春会長代行ら日本語議連の多くの議員が深く関わっています。

インタビューで馳さんは「フリースクール、夜間中学のこの法律はスタート時点から12年かかりました」としみじみとした口調で語りました。最初はフリースクールの高校段階におけるJRの通学定期の学割を求める運動から始まったといいます。国会議員が集まってJRに行って要求しましたが、学習指導要領に沿った教育が行われていない、ということで拒否されたそうです。法的根拠がないと、いくら政治家が「正論」をはいても、民間企業は動かせないということです。JRの学割問題といえば、株式会社立の日本語学校の留学生がいまなお同じ悩みを抱えています。

フリースクールの問題では、不登校という大きな課題が浮上し、様々な議論が出て意見をまとめるのに苦労したようです。さらにいじめやLGBT,貧困問題などにも議論が広がったと馳さんは振り返りました。

それにしても、12年間もよく議論を重ねたものです。今国会では、いわゆるカジノ法案が大きな話題を集めていますが、これも議員連盟で長年議論してきたテーマです。日本語教育推進基本法の法案づくりには、それほど長い時間はかからないと思いますが、議論すべき「日本語教育の範囲」がかなり広いことは事実です。過不足のない議論を迅速に進めていく必要があります。フリースクールや夜間中学に関する「教育の機会確保等に関する法律案」を審議した経験や苦労が日本語教育の議論に生かされるものと期待しています。

石原 進(いしはら・すすむ)日本語教育情報プラットフォーム代表世話人

投稿者プロフィール

「にほんごぷらっと」の運営団体である日本語教育情報プラットフォーム代表世話人。元毎日新聞論説副委員長、現和歌山放送顧問、株式会社移民情報機構代表取締役。2016年12月より当団体を立ち上げ、2017年9月より言葉が結ぶ人と社会「にほんごぷらっと」を開設。

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12
12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
6月 12 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
6月
29
12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
1月
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10:00 AM 令和6年度生活指導担当者(初任)研修 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
令和6年度生活指導担当者(初任)研修 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
1月 31 @ 10:00 AM – 5:30 PM
当協会では、日本語教育機関における生活指導担当者の能力向上を図るため、標記研修を実施しております。 今年度におきましても下記により実施しますのでご案内申し上げます。 「認定日本語教育機関に求められる外国人留学生の生活指導支援とは」をテーマに講義とグループワーク及び懇親交流ネットワーク会(任意参加))の三部構成としました。 日頃の業務課題の解決・モチベーションアップに、ぜひご活用ください。 1 日時 令和7年1月31日(金)10:00~17:30 2 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) 3 参加要件 日本語教育機関又は大学等教育機関の現場において、 実際に留学生の生活指導に携わり、原則 3 年以内の者。 4 参加費 維持会員機関 8,800円(税込)/1人当たり その他の教育機関  17,600円(税込)/1人当たり 5 応募締切:令和7年1月10日(金) 6 詳細、申込方法 https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=3245&f=news 〔問い合わせ先〕一般財団法人日本語教育振興協会 事業部 小野寺陽子 TEL:03-6380-6557 FAX:03-6380-6587 E-mail: nisshinkyo2@gmail.com

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