故李秀賢さん偲ぶLSH獎学会の奨学金授与式 今年はコロナ禍で
新大久保駅で線路に落ちた男性を助けようとして死亡した韓国人留学生の李秀賢(イ・スヒョン)さんの遺徳を後世に伝えようと2002年に始まったLSHアジア獎学会の奨学金授与式が10月14日、東京都内で開かれた。今年はコロナ禍で韓国釜山市在住の李さんの母で同獎学会の名誉会長の辛潤賛(シン・ユンチャン)さんはZoomでメッセージを贈った。
この事故では李さんとともに男性を助けようとしたカメラマンの関根史郎さんも亡くなった。アジアからの留学生に贈られるこの奨学金は、李さんらの勇気ある行動に感動した人たちから寄せられた見舞金を李さんのご両親が同獎学会に寄託したことで始まった。今回、奨学金を授与された留学生は50人。過去19回の授与式では中国、韓国、ベトナムネパール、台湾などの留生会せて998人にのぼる。
今年は新型コロナウイルスの感染が拡大しているため、式に出席した留学生は21人で、残る29人の多くはZoomによるオンライン参加となった。また李さんのご両親が2人で一昨年まで毎年参加してきたが、2019年3月に父、李盛大(イ・ソンデ)さんが亡くなった。
授与式では鹿取克章会長は「今回、50人の皆さんに奨学金を贈ることができました。」この奨学金は李さんのご家族や多くの支援者の心のこもったお金です。支援者の気持ちに応えられるよう有意義に使ってください」と述べ、留学生一人ひとりに賞状を手渡した。
式の最後に李さんの母、辛潤賛さんはZoomを通じて参加者にメッセージを贈った。この中でコロナ禍に関連して「世界各国はコロナの収束のため苦労していますが、まもなく長いトンネルを抜け出して平和な日常に戻る日が来るでしょう。ポジティブなパワーは最高の免疫力だと言われます。健康管理に注意して次回もまた明るい姿でお会いできる日を楽しみにしています」と語った。
にほんごぷらっと編集部