衆院選では日本語議連の候補者の全面支援を!! 「にほんごぷらっと」は呼びかける

衆院選では日本語議連の候補者の全面支援を!! 「にほんごぷらっと」は呼びかける

自民党総裁選が9月17日に告示されましたが、その後には衆院選が行われます。「にほんごぷらっと」は、超党派の日本語教育推進議員連盟(以下、日本語議連)に参加し、日本語教育の振興に尽力されている候補者を全力で応援します。日本語学校の関係者をはじめ、外国人が学ぶ日本語教室の先生など、より多くの方々に支援を呼びかけます。

そもそも「にほんごぷらっと」のサイトは、日本語議連は結成を機に立ち上げました。設立総会が開かれた2016年11月以降、その活動を迅速かつ詳細に情報発信してきました。議員連盟の総会での議論のほか、関係者からの議連への要望や多文化共生の地域づくりの動きなどをサイトに掲載してきました。日本語議連の活動をつぶさに伝えてきた唯一のメディアです。

日本政府には日本語教育について責任をもって担当する部署がありません。そのため政府として日本語教育に関する法律をつくることができませんでした。そうした中で立法府(国会)の議員が党派を超えて集い、日本語教育推進法案が策定したわけです。法案は国会運営をめぐる政党間の対立から廃案寸前の危機に見舞われましたが、関係者の努力もあって2019年6月の通常国会の閉会間際に何とか成立しました。

外交・安全保障や国民生活に密接に係る医療や社会保障などと違い、大手メディアにとって日本語教育は極めて地味な政策です。政治家にとっても、大きな注目を集めるテーマではないでしょう。とはいえ、日本語教育の法整備は300万人に近くまで増えた在留外国人だけでなく、日本にルーツを持つ海外の人たちにも大きな力を与えてくれます。日本の人口減少が不可避な中で、「海外の日本語人口」を増やすことは経済活力の維持・向上に寄与します。

考えてみれば、日本語議連の活動を情報発信してきたことは、政治活動の一つの側面を伝えてきたことになります。一党一派に偏することのない超党派の議員の取り組みを報じてきたわけです。私たちはポピュリズムと一線を画し、「見えにくい重要テーマ」を追いかけてきました。その活動には大きな意味があると確信しています。

コロナ禍で日本語学校の経営が窮地に陥っています。留学生を多く受け入れてきた大学、専門学校もピンチに見舞われています。人材不足に悩む外国労働者の受入れも急務です。そうした危機的状況も、日本語教育のフィルターを通すことでよりはっきり見えてきます。コロナの感染拡大の防止と外国人留学生の受け入れ、そして経済活動の再開。この難題を解決するには政治の力が不可欠です。

「にほんごぷらっと」の実務に携わる世話人にはわずか4人です。手弁当での活動ですから、総選挙にどこまでコミットできるかどうかわかりませんが、微力ながら真摯な気持ちで「日本語教育と選挙」に向き合いたいと思います。日本語議連の候補者を支援した成果は、今後の日本語教育の推進の在り方に表れると考えます。ご理解、ご協力を幅広く呼び掛ける次第です。

2021年9月

にほんごぷらっと世話人一同

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