2018年度 公開シンポジウム 本物の自尊心を育むために

日時:
2018年12月2日 @ 1:00 PM
2018-12-02T13:00:00+09:00
2018-12-02T13:15:00+09:00
場所:
東京大学本郷キャンパス 国際学術総合研究棟 文学部3番大教室
日本、〒113-0033 東京都文京区本郷7丁目3−1
お問い合わせ:
日本教育心理学会
03-3818-1534 

◆企画趣旨
昨今,様々なデータにより日本の若者の自尊心が低いということが問題視されている。
しかし,文化社会心理学の中では,この自尊心の相対的な低さは,むしろ日本人の特長や美点を反映している可能性が高いことも理解されている。たとえば,欧米では自己高揚的傾向が強いため,自尊心得点が高く出やすいが,それは必ずしも実力に裏打ちされた自尊心ではなく,自尊心を高く保たなければ社会適応しにくいという状況に対する一種のマインドセットであると考えられる。いっぽう,日本人の場合には,他者から批判されないように自ら自己の欠点や改善点を見つけ出し,問題点を改善しようとする中で,実力が高まるとともに,謙虚さなどの美点にもつながる。Markus, H.は,アメリカ人は自分と異なる意見を聞くときに,頭の中が反論でいっぱいになって素直に聞けないが,日本人のいいところは,自分と異なる意見でも,頭の中を白紙にして聞けるところだ,という指摘もしている。
また,日本人は現時点での自己の欠点などを見出して改善しようとするため,自尊心の得点は低めに出やすいが,こうした改善を重ねる結果,将来の自分は幸せになると信じていることを示すデータもある。ただし,自己批判的傾向が強まりすぎると,うつや自信喪失などの病理的状態につながりうる。
さらに,欧米の場合は自分で自尊心を高く保つ必要があるが,日本の場合は,謙譲の美徳により,自分を低めて相手をあげ合うことにより,お互いに相手の自尊心を高めあうような,互恵的社会でもある。こうした安心社会は,欧米の多民族社会からは羨望のまなざしで見られている。
したがって,Rosenbergの自尊心尺度のように,他人に比べて自分が個人的にどの程度有能か,ということを問うような方法では,高い値が出にくいことをもって,一概に問題視するべきではない。真に自尊心を高めるとはどういうことか,客観的なデータ,測定法,うつなどの病理との関連,教育的介入の効果,などの点から考える機会としたい。

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イベントカレンダー

6月
12
12:00 AM 留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
留学生対象の日本語教師初任者研修... @ オンライン(ZOOM)
6月 12 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
日振協による文部科学省委託の初任研修が今年も始まります。 告示校で10年程度専任で経験されている方対象です。 OJTで実際の運営に関わりながら研修運営を肌で学んでいただけます。 研修詳細は協会ホームページより、チラシと募集案内をダウンロードしてご確認ください。   「日振協 留学生対象の日本語教師初任者研修」は「オンライン映像講義」「(オンライン)集合研修」「自己研修(自律的学習)」の三位一体の編成により、①自律的・持続的な成長力 ②対話力 ③専門性という3つの資質・能力の育成を目指すもので、忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の教育機関に所属している受講生への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 2020年度から、この初任者研修と並行して、「育成研修」を併せて実施しています。「育成研修」は初任者研修のサポートを行いながら研修の企画や実施方法を学び、将来全国各地で初任者研修の実施担当者として活躍していただく人材を育成する研修です。具体的には以下のことを目指しています。 ①初任者教員の協働的かつ自律的な学びを支援し、21世紀に活躍できる日本語教師としての資質・能力及びICT活用能力の獲得へと導く ②研修委員に必要な経験と能力を身につける 研修は、フルオンライン(zoom使用)で実施いたします。学内で初任者の指導を任されている方、地方在住でなかなか研修機会に恵まれない方など全国各地からご参加いただきたく存じます。修了生は今後実施委員になっていただく可能性もございます。どうぞ奮ってご応募ください。 チラシ(PDF 裏表2頁/1枚)
6月
29
12:00 AM 留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
留学生に対する日本語教師初任研修 @ オンライン
6月 29 2024 @ 12:00 AM – 1月 31 2025 @ 12:00 AM
本研修のカリキュラムは文化審議会国語分科会の「日本語教育人材の養成・研修の在り方について(報告)」に基づいており、初任者が体系的・計画的に日本語指導を行うための実践的能力として (1)自律的・持続的な成長力 (2)対話力 (3)専門性 の3つの資質・能力の養成を狙いとした90単位時間のプログラムです。忙しい仕事の合間を縫って学べるよう、また地方の日本語教育機関の新任の先生方への負担を減らすため、e-Learningを利用した研修となっています。 研修形態はフルオンラインです。昨年度同様、今後日本語教師にますます求められるであろうICT活用能力(オンライン授業やハイブリッド授業の実践等)に重点を置いた研修を行います。 つきましては、ぜひ多数の日本語教師初任者の方にご参加いただきたく下記のとおりご案内いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。 チラシ(PDF 表裏2頁/1枚)
1月
31
10:00 AM 令和6年度生活指導担当者(初任)研修 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
令和6年度生活指導担当者(初任)研修 @ 国立オリンピック記念青少年総合センター
1月 31 @ 10:00 AM – 5:30 PM
当協会では、日本語教育機関における生活指導担当者の能力向上を図るため、標記研修を実施しております。 今年度におきましても下記により実施しますのでご案内申し上げます。 「認定日本語教育機関に求められる外国人留学生の生活指導支援とは」をテーマに講義とグループワーク及び懇親交流ネットワーク会(任意参加))の三部構成としました。 日頃の業務課題の解決・モチベーションアップに、ぜひご活用ください。 1 日時 令和7年1月31日(金)10:00~17:30 2 会場 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区) 3 参加要件 日本語教育機関又は大学等教育機関の現場において、 実際に留学生の生活指導に携わり、原則 3 年以内の者。 4 参加費 維持会員機関 8,800円(税込)/1人当たり その他の教育機関  17,600円(税込)/1人当たり 5 応募締切:令和7年1月10日(金) 6 詳細、申込方法 https://www.nisshinkyo.org/news/detail.php?id=3245&f=news 〔問い合わせ先〕一般財団法人日本語教育振興協会 事業部 小野寺陽子 TEL:03-6380-6557 FAX:03-6380-6587 E-mail: nisshinkyo2@gmail.com

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